キヨこと東御手洗 清司郎は
ハルこと春奈と一緒に
"ジェリーモン系列デジモンの装飾が
施された寝台"で眠って居た………

筈だった｡

キヨが瞳を醒ますと､
よく見知って………居る筈?の
2人が居た｡

｢エマ…? 其れに保(たもつ)…?
此処は一体何処かな…?｣

エマと保(らしき人物?)はキヨの言葉に
不思議其うに首を傾げて居る
｢エマ…?｣

｢保…?｣

｢誰かしら…?｣

｢元居た世界によく似てる奴が居るんだろ
多分｣

｢何処の誰かと勘違いしてるのかは
知ら無いけれど…私はエマエルよ｣

｢俺はタモツエルだ｣

｢私とタモツエルは熾天使(セラフ)さまに
頼まれて貴男を此の世界に連れて来たの｣

其処迄聞いたキヨは小さくひぇっと悲鳴
上げる
｢ま､正か此処は天国………?! 僕は未だ
遣りたい事が沢山有るって言うのに!!!｣

タモツエル
｢まぁまぁ一寸落ち着けよ此処は天国じゃ
無ぇし其も其も普通の人間じゃ先ず来られ
無ぇよ｣

｢普通の人間じゃ先ず来られ無いって
如何言う意味?!｣

｢此処は熾天使さまに特別な資質が有ると
認められた者で無ければ来られ無いんだ｣

エマエル
｢貴男には特別なエンジュエルトレイニー
(宝石天使見習い)を育成する役目を任せ
られる程の資格が有ると見抜かれたのよ｣

タモツエル
｢特別なエンジュエルトレイニーって言う
のがさっき一緒に寝てた"彼女"だ｣

｢えっ?! ハルも………此の世界に………来て
呉れるのかい………?!｣

タモツエル
｢嗚呼｡俺とエマエルじゃ無い試験官
エンジュエルが手筈を御膳立てして
呉れて居る｣

?????
｢エマエル～タモツエル～此方は準備
完了だよ～｣

エマエル
｢あっ､ペコリエル試験官｣

タモツエル
｢彼女が担当したんだ｣

｢………………｣

キヨはペコリエルを観る成り後ずさる

ペコリエル
｢何々如何(ど)ったの☆彡｣

｢貴女が3月担当の試験官さま…｣

ペコリエル
｢えっ凄い未だ何も言って無いのに
何の月のジュエルチャーム持ってたか
バレた｣

｢然も此の独特な雰囲気…さてはハルと
同じ3月18日生まれですね?!｣

ペコリエル
｢ななな何故其れ見抜けたし｣

｢後一番不味いのは………貴女は
珊瑚迄手放して仕舞ったんですか………｣

ペコリエル
｢え? 熾天使さまが直々に御認めに成った
エンジュエルトレイニーには試験官が
持つジュエルチャームを全て継がせる
のがしきたり何だけど何か不味った?｣

｢珊瑚だけは………珊瑚だけは駄目ですよ
3月18日生まれの貴女成らばデスコーラル
と言う禁忌の呪文を存じ上げて居る筈
です｣

ペコリエル
｢正か熾天使さまが御認めに成った或の
彼女(ひと)ペコリより負のパワーが
強いの?｣

｢強い何てレベルじゃ無いんですよ
僕ですらハルを諌められるか如何か
判断りません｣

ペコリエルは青ざめる
｢ペコリやらかしたかも｣

エマエル&タモツエル
｢｢えっ( ; ゜Д゜)｣｣

ハル
｢ふわぁ………よく寝た………御早う
キヨ………って或れ?! 隣で一緒に
眠ってた筈のキヨが居無いっ!!!
………うん??? 何此れ………赤い手帳………???｣

開くと其処には
"キヨことシロウエルはペコリが預かった
逢いたくば4つのジュエルチャームを捜し
出しチカラを解き放てさすれば道は拓か
れる"と書かれて在った

｢シロウエルって何?! ペコリって誰?!
正か見知らぬ悪意にキヨが拐われた?!｣

ーーーエンジュエル・ワールドーーー

タモツエル
｢………ペコリエル試験官が言ってた
やらかしたって正か手帳の文面の
事っすか｣

ペコリエルは無言で頷く

エマエル
｢熾天使さまが直々に御認めに成った
エンジュエル試験官とエンジュエル
トレイニーは一度引き離すって言うのが
しきたり何だけど此れ変えた方が良い
わよね…彼女凄い剣幕でペコリエル
試験官のチャーム捜してる｣

ーーーリアル・ワールドーーー

ハル
｢赦さ無い………!!!
ペコリとか言うのが男性だろうが
女性だろうが性別不詳だろうが………!!!
わたしの大切な想い者のキヨを勝手に
異世界に連れて行く何て絶対絶対絶対
赦さ無い………!!!｣

部屋のテーブルに置かれた小型の
シェードの中が黒く光った

其処に在ったのはー………

ペコリエル
｢其んな………｣

タモツエル
｢或れ………サンゴのジュエルチャーム
だよな………｣

エマエル
｢正か………負のパワーが強い彼女に
感化されたサンゴが自らの意思で堕天
したの………?!｣

ペコリエルに異変が起きる
｢あ………あぅ………｣

キヨ
｢!(ペコリエル試験官さまのハネが!)｣

左ハネの羽先(はさき)から半分が
黒く染まって仕舞った

ペコリエル
｢………う～………｣

ハネの一部が黒く染まった
ペコリエルは顔色が良く無い……

?????
｢皆の者!!! 何事ぢゃ?!｣

タモツエル
｢リリスエル試験官!!!
ペコリエル試験官が!!!｣

リリスエル
｢此れは………っ………何と言う事ぢゃ………!!!
ペコリエルの事は妾に任せよ
エマエルにタモツエル
リアル・ワールドの監視は任せたぞ｣

エマエル&タモツエル
｢｢はっ｣｣

窓際に置かれた御洒磨ーブ
チューリップの鉢の中に
ブラッドストーンを

ユニットバスの湯船の底に
アクアマリンを

洗面台の鏡の近くに
アイオライトを

其れ其れ見付けたハル

サンゴのジュエルチャームを手に取ると
｢貴方は………わたしに共感して呉れたのね
貴方だけ最初から黒かった………貴方は
主との縁を自ら断ち切ったのね………
貴方だけは………もう………主の元には………｣

ハルは縁を結んで4匹同時に
ジュエルペットを君臨させたが
ハルと縁を結んだのはサンゴのみで
他の3匹は元の主との縁を結び直した

簡単に言う成れば3匹は一時的に
ハルの味方に成るだけで
サンゴだけ半永久で在る

｢｢………………｣｣

｢本当は裁きを受けるべきなのは
俺とエマエルなのにな｣

｢でもペコリエル試験官は私達が
引き離したと気付かせまいと………｣

トレイニー第一次試験を突破した
ハルはエンジュエル・ワールドに転移
して来たが不穏な雰囲気を漂わせて居る

｢…ねぇ ペコリって試験官(ヒト)は何処?
其の前に…わたしの大切なキヨを異世界に
勝手に連れて行ったのは貴方達ね?
デスコー………｣

｢｢!｣｣

キヨ
｢ハル!!! stay…and…come｣

ハル
｢キヨ………わたし………わたしは………｣

キヨ
｢うん…理解ってる…僕を誰よりも大事に
想って呉れてる事…禁忌の呪文を使って
でも罪を犯してでも憎い相手を突き
堕としたいって気持ちも…でもね其れじゃ
駄目何だ…2人で元居た世界に帰るには
ハルがチカラを蓄えて一番に成ら無くちゃ
………ね??? 怒りの矛先はハルの攻撃だったら
何でも耐えられる僕だけに向ければ良い｣

ハル
｢………う～っ………｣

キヨ
｢御免ね…納得行か無いよね…でも
早い所技撃た無きゃハルもストレス
溜まっちゃうでしょ…???｣

ハルは左手にダークエンジュエル
チャームワンドを構えるとキヨに

デスコーラル0318
デスコーラル1584
負悪壊罵(フォーエバー)を撃った

キヨは満面の微笑みで其れを全て受けきる

相手が試験官又はトレイニー成らば
即●レベルだがキヨは何れだけ受け様が
HP1残して耐えられる

其れは気愛(きあい)と言う名前の絆の
成せるチカラだった