Vol.83：ペットが主役のほのぼのMMORPG『モンスターヴェルト・オンライン』

これから年末にかけて、いろいろなハードで多くのゲームが発売されますよね。欲しいタイトルをすべて買ったらとんでもない金額になるでしょう！　おそらく、ここの読者はそんな年末散財予定組の人たちばかりだと思います。なので、いまはなるべくお金を使わないように気をつけているのではないでしょうか？（もちろん筆者も同じ）
そんな読者にいまお勧めしたいのは、無料で遊べる楽しいオンラインゲーム。そう、このコラムで毎回連載しているようなゲームたちです。登録さえ済ませば誰でもずーっと無料で遊べるから、この世でもっともお財布に優しいエンターテイメントでしょう。

前置きが長くなりましたが、今回は『モンスターヴェルト・オンライン（以下、MWO）』を紹介します。このゲームはプレイヤーがペットのモンスターを連れて冒険するファンタジーMMORPG。

▲かわいらしいペットを連れて大陸を冒険するファンタジーMMORPG。

▲敵のモンスターもかわいいヤツばかり。ゲームの雰囲気は全体的にほのぼの。

▲オンラインゲームのお約束とも言える“チュートリアル”も用意。

ゲームの舞台は、大小いくつかの国によって構成される“アーラン大陸”。平和を保っていたこの大陸で、あるとき“カイヤー公国”と呼ばれる国家が黒水晶から得られる強大なエネルギーを発見した。カイヤー政府はこの力を贅沢に使い、大陸最大の強国に成り上がっていった。
しかし、カイヤー公国の繁栄は続かなかった……。黒水晶のエネルギーが漏洩し、大陸の環境が悪化する大事故が発生したからだ。この影響で黒水晶のエネルギーは封印されるかと思われたが、カイヤー政府は勢力を維持するため、黒水晶の研究を続けるしかなかった。これを知った国民たちは、同じ災害を起こさせないように武装地下集団を結成し、政府軍に戦いを挑んだ。
しかし争いはこれだけにとどまらず、時を同じくしてカイヤー公国以外の国家も黒水晶のパワーを狙い始めていたのだ。その結果、アーラン大陸は黒水晶を巡る大規模な戦争に突入していった−−。

ストーリーは上述したような感じ。とても重厚そうに聞こえるかもしれないが、プレイしてみたらビックリ。見た目はとてもほのぼのしているファンタジーRPGだ。かわいいグラフィックは女性や低年齢層にも受けがよさそうな雰囲気。特筆すべきは、本作の特徴である“ペット”がとてもかわいいところ！　本作のすべてのプレイヤーは、最低1匹以上のペットモンスターを飼っており、ゲーム中は常にペットと一緒に行動するのだ。

本作でのペットは、単なるかわいいオマケではない。冒険中の戦闘は、すべてペットが担当するのだ。戦闘シーンでのプレイヤーはペット飼い主として命令をするだけ。そのため、『MWO』ではプレイヤーキャラクターよりもペットの育成が重要。いかに強いペットを飼育できるかが冒険を進める鍵となるわけだ。

▲ゲームのタイトル画面に出てるキャラクターがペットたちだ。

▲戦闘を繰り返して経験を積むと、ペットのレベルが上がって徐々に強くなる。

▲冒険の舞台となる星は3Dで描画される。“Google Earth”のように回転させられる。

9種類のペットから選んで冒険に出発！

ゲームをスタートさせると、初めに飼育するペットを選べる。選択できるモンスターは、野獣系の“バクゥー”や、植物系の“ランダ”、水棲系の“シャーキー”などの9種類だ。それぞれ見た目の他に、得意な攻撃方法も異なるが、初めは深く考えずに気に入ったペットを選べばよいだろう。なお、ゲームを進めればペットを進化させたり、“捕獲機”を使って新しいペットを捕まえることも可能。

▲昆虫系の“キャッピー”は、「森の宝石」と呼ばれている蝶の幼虫モンスター。

▲ピンクで丸いのは“ぱぴごん”。見た目はかわいいが、実は竜系のモンスター。

▲ゲーム中のペットは、写真のようにプレイヤーの後を追いかけてくる。かわいいぞ！

ゲームの流れは、クエストを進めながらペットを育て、大陸内を冒険していくオーソドックスなRPG。ペットが強くなれば新しい土地にも安心して行けるようになり、行動範囲が広がる。ペットには攻撃力や防御力、HP値などが設定してあり、レベルがアップしたりアイテムを装備することで増強される。ペットに装備できるアイテムは、帽子とネックレス、武器、2種類のリング。一般的なRPGだとプレイヤーキャラクターに装備するのが通例だが、『MWO』での装備品はすべてペットが使用する。ただし、プレイヤーキャラクターが装備できるアイテムも存在する。こちらはキャラクターの外見が変化するアバターアイテムのようなものなので、ゲームを進めるだけが目的ならば意識しなくてもよい。

戦闘シーンはわかりやすいターン制バトル

モンスターとの戦闘は、モンスターが出没するエリアを歩いていると、一定の確率でモンスターに遭遇する“フィールドエンカウント式”。戦闘シーンはターン制で、ペットと敵のモンスターの関係によって攻撃の順番は変わる。戦闘フィールドには自軍と敵軍が3×4のマス目が描かれており、ひとつのマスには一体のモンスターが配置できる。通常攻撃を行なう場合、後列のモンスターは前列のモンスターを倒してからでなければ攻撃できないので、シミュレーションゲームのように戦略を練る必要があるぞ。しかし、一度に複数のマス目を攻撃する範囲攻撃スキルも存在するため、強力なスキルを習得させておくといざというときに便利。
もしも複数のプレイヤーが戦闘に参加した場合は、プレイヤーサイドにも複数のペットモンスターが配置される。仲間と協力すれば、一度に多数のモンスターと戦ったり、ボスとの戦闘がラクに行えるぞ。

▲画面右上に小さく表示されているのが、ペットとモンスターの位置関係を表したマス目。

▲戦闘に参加したモンスターは、すべて1ターンに1回ずつ行動を行なう。

▲難易度の高いクエストの最後にはボスが待ち構えていることも！

ペットの攻撃は戦闘スキルカードで決まる

ペットの攻撃手段は、持っている“戦闘スキルカード”で決まる。戦闘スキルカードは武器やアイテムのように自由に着脱可能。ただし、すべてのスキルカードはコストポイントが設定されており、合計コストが範囲内でなければならない。また、強力なスキルは高いレベルが設定されており、レベルの低いペットには使いこなせないのだ。
また、戦闘スキルカードは“錬成”や“合成”を行なうと強化させられる。錬成や合成にはいくつかの材料アイテムが必要だが、戦闘力が大幅にアップする。早い段階で合成してもらうと強力なモンスターを倒せるようになるぞ。
この戦闘スキルカードは、トレーディングカードのようなコレクション要素もある。『MWO』は冒険をしながらカードを集める楽しさも味わえるってワケだ。

▲スキルカードをペットに持たせると、戦闘中に攻撃スキルを使える。

▲縦一直線の敵に攻撃を当てるスキル。敵のモンスターが並んでいるときに有効。

▲序盤はほとんど真っ白だけど、冒険を進めていけば入手したカードで“カード帳”が埋まっていく。

農園のデザイン＆運営も楽しい〜♪

ただ大陸を冒険するだけが本作じゃない！　なんとこのゲーム、“農園”のデザインと運営も楽しめるのだ。と、いきなり言われても「いったなんのこっちゃ？」と思うかもしれない。簡単に説明すると、すべてのプレイヤーは自分だけのプライベートエリアを与えられ、その土地で自由に農業を営めるのだ。農園を作るにはクエストを解く必要があるが、これは序盤に受けられる簡単なクエスト。該当するクエストさえ終わらせれば、自分だけの土地をもらえる。
農園では、冒険中に入手した“種”を植えることができる。農作物の種類はコーヒーやじゃがいもなど、いろいろな植物が登場する。また、農園では植物以外にも牛やニワトリなどの家畜を飼育したり、魚を養殖することも可能だ。

▲クエストの報酬でもらった農園。まだ農作物も家畜もいない。

▲農園のラインに沿って農作物を植えていく。家畜は広い面積を必要とするぞ。

▲農園には柵や看板、置物などの装飾アイテムも配置できる。

農作物や家畜を育てていくと、一定時間経過後に食材を採集できる。集めた食材は農園に建設したカフェで料理を作り、お客さんとして訪れるNPCに販売できる。来店してくれる人数は農園の成長度によって変化するので、より魅力的な農園を作れば、それだけ商売もうまくいく。食事をしてくれたお客さんが喜んでくれると、あとでお礼のアイテムをプレゼントしてくれることも！　もらえるアイテムのなかにはショップでは買えないレアなモノもあるので、農園経営はおざなりにできない。

▲わかりにくいけど、コーヒー豆を収穫しているところ。季節によって育ち方が異なる。

▲材料が揃ったら料理が作れるぞ。レシピ帳をよく見てから調理開始だ。

▲像のお客さんがやってきてくれた！　“ジャワコーヒー”を注文してくれたぞう！

『MWO』は冒険も農場運営も楽しめる、ちょっと変わった（だいぶ変わってる）MMORPG。かわいいモノが大好きで、なおかつRPGやシミュレーションファンの読者に遊んでほしいオンラインゲームですよ。ゲームをしながら農業について考えてみませんかっ!?