Vol.86:往年のPCゲーマーをニヤリとさせる気鋭の純国産MMORPG『アルカディアサーガ』
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Vol.86:往年のPCゲーマーをニヤリとさせる気鋭の純国産MMORPG『アルカディアサーガ』』
by 小松ヌンチャク 2010年01月15日
遅くなりましたけど明けましておめでとうございます! 本年もどうぞよろしくお願いいたします! 本コラム今年最初に紹介するタイトルは『アルカディアサーガ』。ゴンゾロッソとヘッドロックがタッグを組み、昨年末12月1日に正式サービスが開始されたばかりの純国産MMORPGなのです。本作は、MMORPGではカンタン操作のカジュアルタイトルが大勢を占めているなか、硬派なシステムを搭載しているのが特徴。しかも国産タイトルということで、音楽は『伝説のオウガバトル』の崎元仁氏、スーパーバイザーは『ロードス島戦記』の水野良氏! この名前に反応してしまった人はきっと30代以上のおっさん……もとい往年ゲーマーです。筆者もど真ん中世代なので、それだけで期待度が上がってしまうのです。あ、若い読者さんもご安心くださいませ。決してゲーム的に古いということではなく、むしろ国産ならではの世界観や丁寧さが際立った内容なので遊びやすいタイトルなのです。
生きるために強くなれ! 全4種類のクラスから使用キャラを作ろう
キャラを作るとオープニングが始まる。"亜人"と呼ばれる、人間と対立する種族たちの襲撃を受けたプレイヤーの村は壊滅、奇跡的に生き残ったプレイヤーは"ベナフィール"村に漂着する。記憶を無くしたプレイヤーは、恩に報いるためにベナフィールの開拓者組合の手伝いをすることになった。こうしてプレイヤーの冒険が始まるのだ。
戦闘とは忙しいもの! アクション要素の高い操作システム
『アルカディアサーガ』の操作システムは、"W、A、S、D"キーと目標地点をマウスクリックして操作するタイプだが、ひとたび戦闘となるとひと味違った操作体系になる。対象モンスターへのターゲットはマウスクリック、戦闘体勢への切り替えは"Tab"キーだ。抜刀して武器を構えると、キャラ前方に射程範囲を示すフレームが現われる。範囲内にターゲットが入った時にスペースキーを押すと攻撃が行なわれ、範囲外だと空振りになってしまう。また、本作に登場する武器は剣や槍、ダガーなど多彩、射程範囲は装備する武器によって異なるので注意しよう。
通常攻撃がヒットすると一定量の"AP(アクションポイント)"が貯まっていく。一定量のAPが貯まると、通常攻撃より強力なスキルを使用できる。通常攻撃とスキルを織り交ぜて敵を倒すのだ。以上のように本作の戦闘では、戦闘体勢に切り替え→ターゲット→通常攻撃orスキル使用をリアルタイムに行なう。相手となるモンスターも、猪突猛進型やヒットアンドアウェイ型、遠距離攻撃を使うタイプなどバラエティーに富んだ特性を持っている。クリックのみで完結するカンタン戦闘も良いけど、リアルタイム戦闘の緊迫感や勝利時の達成感は段違いなのだ。
斡旋所クエストとメインストーリーを進めよう
本作のクエストは、斡旋所で受けられる依頼とゲームのメインストーリーを進めるクエストがある。斡旋所クエストは毎日5ポイント加算されるクエストポイントを消費して受け、達成すると経験値と報酬を得られる。序盤は狩り系が主で、規定数のモンスターを狩るか、対象モンスターのドロップアイテムを集める内容のほか、フィールドに群生する果実の収集なども用意されている。
メインストーリーは、プレイヤーが属する開拓者組合と首都的な位置付けとされる都市"ナストリタン"との軋轢が背景にある。中央行政を執るナストリタンからの命令で、多くの人員を狩り出された地方の居住区は、村を維持する労働力さえもままならない状態に陥っていた。抗議のため、ベナフィールは使者をナストリタンに向かわせるが、使者は帰ってこない。そこで首都から顔の割れていないプレイヤーが、ナストリタンに潜入して使者の行方を捜索する任務を負ったのだ。序盤はナストリタン政府を信用させるために、斡旋所クエストをこなしていく。筆者の感想では先の展開がとても気になって、プレイの大きな推進力になったぞ。
本作の世界では自給自足は基本! 生産活動がアツイ
『アルカディアサーガ』は、ほかのMMORPGより生産活動が重要になっている。フィールドにいる生物からは皮や肉、植物からは果実や香辛料、木材、鉱石などを採取可能。採取した素材は、街にある専用施設を使ってアイテムを作成する。作れるアイテムや料理や薬品、装備品、家具など。プレイヤーは任意の生産スキルを専門化して活動していく。余剰の生産品が出れば、バザーに出品して利益を得る。本作はクエストやモンスター討伐で得られるお金は比較的少なめなので、生産を活かすと効率的にお金を稼げるのだ。
プレイヤーごとの運用方法が用意されたマイハウス
生産活動と密接した機能としてマイハウスがある。フィールドの設置可能なエリアに自分の家を持てるのだ。フィールドには、良い狩猟場所や鉱物の採掘エリアが存在する。近くにマイハウスを建てれば、ハウス内に素材を格納できるだけでなく、専用施設を置いて生産活動も可能。さらにベンダーNPCを置いて販売もできる。マイハウスは家具や装飾物で自在にデザインでき、ナストリタンへワープするポータルも設置できる。建てる場所によっては生産活動の拠点のほか、あえて周囲に何もない場所に立ててポータルに使用料を設定したり、狩り場の近くで装備を充実させる拠点として機能させたりと、用途次第でいろんな活用ができる。筆者の場合、現時点では手の届かない金額だけど、一国一城の主となったら本格的な楽しみが待っていそうだ。
憧れの我が家を持てる一方、リスクも存在する。本作のフィールドには敵対する亜人も活動しているのだ。プレイヤーが建てた集落に、亜人たちの襲撃を受ける機会も発生する。襲撃を許してしまうと、ハウスを壊されたり格納しておいたアイテムを失ってしまうのだ。亜人たちは強いので単身での抵抗は無意味に等しい。周囲にほかのプレイヤーのハウスがあれば、集落単位で協力して立ち向かえば撃退も可能だ。マイハウスを持つ生活は、メリットとリスクが混在したワイルドライフの始まりなのだ。
敵はモンスターだけではない! PKアリの仕様
マイハウスと並んで特筆すべきなのがPKシステム。本作ではプレイヤーがプレイヤーを倒すPK(Player Kill)行為が可能だ。PKに成功すると倒したプレイヤーの所持品からランダムで所持金やアイテムを得られる。PKを繰り返すとカルマが下がり、一定値以下になるとほかのプレイヤーのハウスに入れなくなったり、衛兵に攻撃されるようになるなどのペナルティが科せられる。敵は亜人やモンスターだけではない、という本作の仕様は、ロールプレイをよりスリリングにするための要素なのだ。
『アルカディアサーガ』をしばらく遊んで、マイハウスやPKシステムなど、'97年に初めて『ウルティマオンライン』をプレイした頃を思い出しました。初期"UO"が持つ混沌も込みの自由さを提供する仕様は、制作スタッフも意図したところのようで、そのコンセプトは成功していると思います。ただ、遊んでいると効果の程度から存在価値があまり感じられないスキルがあったり、ターゲット判定が微妙なため、逃走モンスターを追撃中に間違えて別の敵に攻撃してしまうなど、細かな不満点もあります。この辺は正式サービス開始から間もないタイトルということもあり、徐々に改善されていくでしょう。これから始める人は、是非本腰を据えて遊んでほしいタイトルです。
ライター経歴
小松ヌンチャク
1976 年長野県生まれ。アスキー、エンターブレインより刊行されていたパソコン誌『テックウィン』編集部に在籍した後、フリーランスとなる。現在プレイしている MMORPGは『大航海時代 Online』と『World of Warcraft』。どちらもサービス開始初期から遊んでるのに、まったくキャラが育たないのはどういうことか悩み中。
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