ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
- Game is not Over -
ステージ183:ゲームはすでに"遊び"ではない!?
ボクがまだ小中学生のころ、「勉強もせずにまたゲームばかりやって」とか、「いつまでピコピコやってるの、たまには外で遊びなさい!」なんて、よく親に怒られたものだけど、ゲームを理解できない人は、最近は少なくなったと思う。
ゲームソフトのジャンルも多様化され、昨今のゲーム機では、ゲームを楽しむだけではなく、ネットもできれば、料理のレシピを調べることもできるし、脳のトレーニングもできる。さらには英語も勉強できれば、美容や健康を促進したり、旅行のガイドブックにもなる……。まさに、"ゲーム機"という単純な言葉では括ることができないほど、さまざまな楽しみかたできる"便利なツール"になったと思いません?
そんななか、ゲーム機&ソフトを学校の授業に利用する、という話はよくあるけれど、先日もニンテンドーDSの英語学習ソフト『陰山英男の反復音読DS英語』を授業に導入するという小学校が出てきた。
なんでも、新学習指導要領により2011年から、小学校5〜6年生の授業に外国語(英語)学習が必須化されるのをまえに、英語学習ソフトを授業に導入することを決めたらしい。
ちなみに、京都府八幡市の小学校ということなんですが、京都といえば任天堂のお膝元だけあり、なんとなく「さすが〜!」とも思ってしまう(笑)。
また、話は変わるんですが、昨今、教育や医療、経営など深刻(シリアス)な社会問題の解決にゲームを役立てる、"シリアスゲーム"というものが広がり始めているそう。
日本ではシリアスゲームという名前はまだまだ聞き慣れないけど、アメリカを中心にそのブームはヨーロッパにも波及しているんだとか。シリアスゲームには、エイズを撲滅するアクションゲームや、防災意識を高めるシミュレーションゲーム、はたまたアメリカ軍の入隊者募集を目的としたFPSなどさまざまがものがあります。
まあ、日本で言うところのエデュテイメント(教育&娯楽)ソフトに近いものがあると思うんですが、"脳トレソフト"や、"英語学習ソフト"など、学習をテーマにしたソフトが日本でヒットしているのは、シリアスゲームブームの流れもあるのでしょうかねえ。
ともあれ今後は、ゲームは単なる娯楽ではなく、より生活に入り込んでくるモノになるのは間違いないと思うんですよ。カジュアルゲームやシリアスゲームと呼ばれる作品以外にも、ゲームだかなんだかわからないソフトもたくさん出てくると思うんですが、そのような作品を「こんなの純粋なゲームじゃないからつまらない」と否定するんじゃなくて、「こんな変わった作品がゲーム機で出るようになったんだ」と"理解"し肯定してあげることこそが、ジャンルの幅を広げ、大きな意味でゲーム業界の発展に繋がるんだと思います。時代とともに"ゲームの在り方"も変わってきていますからねえ。
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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