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ステージ182：レースゲームファン以外にも遊んでもらいたい、『ミッドナイトクラブ：ロサンゼルス』

2009年1月30日(金)更新分

先日、"ワザップ！"のスタッフに、｢ウチザワさん、おもしろそうなゲームのイベントがあるので一緒行きませんか？｣と誘われ、待ち合わせ場所に指定されたのは都内某所の閑静な住宅街。そこから歩くこと２〜３分。全面ガラス張りのオシャレなオートロックドアをくぐり、案内されたのはめちゃくちゃ高級そうなマンションの一室。

｢え、こんなところでゲームのイベント？｣と不思議に思いつつ、部屋のなかを見渡してみると、大型液晶モニターに映し出されていたのは、ロサンゼルスの街並みを疾走する美麗なクルマの映像でした……。

そう、このイベントは『ミッドナイトクラブ：ロサンゼルス』というゲームのプロモーション用試遊会イベントだったんです(イベントに参加できるのは招待者のみ)。

『ミッドナイトクラブ：ロサンゼルス』は、ボクが大好きな『グランド・セフト・オート』シリーズを手掛けるアメリカのゲーム開発会社、ロックスター･ゲームスが制作したストリートレースゲーム(日本国内での発売・販売元はスパイク)。

発売日は2009年２月５日で、プレイステーション３とXbox 360、PSPの３機種で同時発売されます(PSP版は『ミッドナイトクラブ：L.A. リミックス』というタイトル)。

本作は、非常に高い再現度を誇るロサンゼルスの街(箱庭)を舞台に、ルールに縛られない自由な走りを楽しむことができるのが特徴のひとつ。それもそのはず、『グランド・セフト・オート』シリーズのゲームエンジンが使用されているというから納得だ。

一般車両が行き交う交差点、時間経過とともに変化していく美しい景色、街には歩行者が溢れ思い思いに生活をしている。臨場感はもとよりロサンゼルスの空気感までもが感じられる細部にまで描き込まれたグラフィックは秀逸で、広大なロサンゼルスの街を観光気分でただただドライブしているだけでも心地よい。

肝心のレースゲーム部分は、スリップストリームを駆使したり、ゴールまでのショートカットを探したりといった戦略性が熱く、ライバルカーとの抜きつ抜かれつの緊張感は格別。衝突部位によってリアルに壊れていく車体の破壊表現も見た目に楽しく、さらにドライバーの表情から車体の裏側まで、「え！　こんな細かいところまで描かれているの!?」というグラフィック演出にはビックリ！　そのうえ各種インターフェイスも良く、クルマの操作も非常に扱いやすい。

レースで熱くなるのもよし、美しい景色を眺めながら街なかをドライブするだけでもよし、スタントを決めてその華麗さを味わうのもよし、とことんこだわれるクルマのカスタマイズにハマるもよし……と、幅の広い楽しみ方ができる。そういう意味では、ぜひともあまりレースゲームを遊んだことのない人にもオススメしたい。

本作は、シミュレーターではなくゲームだ。決してクルマの挙動はリアル志向ではなく、非常にゲーム的(トップを走るより、追いかけるほうが多少有利なレース展開になっている)。レースゲームに限らずどんなゲームでもそうだと思うが、動きや描写をリアル(現実)に近づければ面白さや臨場感が増すか？　と言われれば一概にそうではなく、あくまでもそこにリアリティー(現実味)がなければしらけてしまう。"リアル"と"リアリティー"は別物なのだ。本作は、"リアル"を追求し"シミュレーター"を目指すのはでなく、あくまでも遊んで(触って)楽しいリアリティー溢れるレース"ゲーム"に仕上がっているんですよね。個人的にはこのような作品は、非常に好みです。