ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
- Game is not Over -
ステージ45:なんでこんなに心に響くのか、『MOTHER3』
やっと出ましたね?、ゲームボーイアドバンス用のRPG、『MOTHER3』。なんてったって、前作にあたるスーパーファミコン版、『MOTHER2 ギーグの逆襲』が発売されたのが1994年ですから、なんと12年ぶりのシリーズ新作となるわけですよ。
じつはまだ10時間くらいしか遊んでいないんですが(というか、どのくらいの時間遊べばクリアーできるかわかりませんが)、ところどころに心に響くような小ネタが仕込まれいて、涙や笑いを誘う楽しい作品に仕上がってます。ゲームやって、こんなに心が揺さぶられたのってひさびさですよ。
ちなみに、みなさんご存じでしょうが、この『MOTHER3』(だけじゃなくて『MOTHER』シリーズ全部)、コピーライターの糸井重里さんが開発およびシナリオを手掛けているというだけあって、ストーリーはもちろんですが、キャラクターのセリフ回しが秀逸。
一般的なRPGにありがちな、「北へ進め」とか、「このアイテムを使え」といったような、説明くさいセリフしかしゃべらないキャラクターがいないんですよ。すごくセリフにこだわって作られていて、『MOTHER3』に登場するキャラクター全員の個性が立っているんですよね。なおかつ、すごく人間味に溢れている。 キャラクターと会話するが非常に楽しいんです。ボクの場合、登場するキャラクター全員と会話しながら、チマチマとゲームを進めているのでなかなか先に進めないんですけど(笑)。
世界観に関してもそう。ありそうでなさそうな世界なんだけど、でもそこには圧倒的なリアリティーがあるんですよね。リアル(現実)じゃなくてリアリティー(現実味)。だからこそ、心に染み渡るというか、この奇妙な世に没入できるんですよね。
先のストーリーは知りたいんだけど、その反面、ゲームを終わらせたくないという気持ちもあるんですよ。ストーリーが先へ進めば進むほど、「ああ、もうすぐ終わっちゃうのか」と寂しくなる作品。そういえば、『ゼルダの伝説 風のタクト』を遊んだときも、こんな気持ちになったっけ。
『MOTHER3』はゲームファンならずとも、あまりゲームをやったことのない、という人にもぜひオススメしたい作品。映画や小説を堪能するように、ぜひ『MOTHER 3』の奇妙でおもしろく、そしてせつないストーリーを味わって欲しいなあ。気にはなっているけど、まだプレイしてない、という人はぜひ!
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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