ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
- Game is not Over -
ステージ252:ゲームジャンルの新たな方向性、『L.A.ノワール』
いやー、暑いですねー。今年も折り返し地点を過ぎ、7月に入りました。みなさん夏バテなどしていませんか? ボクはというと、ここ数ヵ月で体重を7キロくらい落としまして、真夏に向けてすごく身軽になりました。とはいえ、それでもまだまだお腹ぽっこりなので、もう少しダイエットがんばります!
そんなこんなで、すっかり忘れていましたけど、当コラムは連載250回を超え、先月(6月)で6年目に突入しました。いやはや、よく続いたもんだ、とボク自身ビックリです。これもひとえに当コラムを読んでくれているみなさんのおかげです。ありがとうございます!
で、今回は、注目のクライム・スリラーゲーム『L.A.ノワール』(プレイステーション3、Xbox 360ロックスター・ゲームス 2011年7月7日発売 7770円【税込】)の魅力について語りたいと思います。
本作は、『グランド・セフト・オート』シリーズや、『レッド・デッド・リデンプション』などで知られるロックスター・ゲームズの最新作(ちなみに『L.A.ノワール』の制作を手掛けたのはオーストラリアのゲーム開発会社、チーム・ボンディ)。
『グランド・セフト・オート』シリーズや、『レッド・デッド・リデンプション』と同じ、自由度が高いオープンワールドタイプの作品ですが、そのゲーム性はちょっと異なり次世代アドベンチャーゲーム、といった作りになってます。
アクション性にはさほど重みを置いておらず、アクションパートをスキップする機能まで付いているほど。オープンワールドで、ド派手な銃撃戦やカーチェイスなどを楽しむのがメインではなく(もちろんそれらの要素もあるけど)、証拠物の探しだしや聞き込み、推理などのアドベンチャー要素を楽しむ作りなので、『グランド・セフト・オート』シリーズや、『レッド・デッド・リデンプション』と同じ楽しさを期待すると、少し肩透かしを食らうかもしれない。
"アドベンチャー(クライム・スリラー)"という部分に重点を置いていることもあり、登場キャラクターたちの表情の豊かさや、建物や衣装などのリアルな描写のこだわりがハンパなく、まるでその時代のその場にいるような感覚が味わえる雰囲気作りが秀逸!
キャラクターたちのセリフや表情を見て矛盾点を見抜き、そこに証拠を突きつけて真相を暴き出すという、その面白さは『逆転裁判』シリーズに通じるものがありました(ロックスター・ゲームズが『逆転裁判』を手掛けたらこうなるんだろうな的な印象も)。
これまで、オープンワールドのゲームというと、箱庭のなかで暴れ回るアクション系の作品が多かったですが、それらとはちょっと違った切り口でオープンワールドの良さをカンジさせてくれた『L.A.ノワール』。ここに新たなゲームジャンルの方向性を垣間見た気がします。
いちおう"ゲーム機"という言葉で括られてはいるものの、3ハードメーカーの設計思想や、目指す方向性はそれぞれ異なるんですよね。
【毎月、第2・第4金曜日更新】
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
過去のコラム
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