ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
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ステージ33:『メトロイドプライム ピンボール』の魅力 (後編)
最近、『メトロイドプライム ピンボール』(ニンテンドーDS 任天堂 2006年1月19日発売 4800円[税込])にハマっているということもあり、先週のこのコラムで、一般的なピンボールの魅力や楽しさなどをお伝えしましたけど、今週はその続き。
『メトロイドプライム ピンボール』って、単純に『メトロイドプライム』を題材にしたピンボールゲームでしょ? とお思いのみなさん、それは大きな間違い。もちろん、ピンボールのルールに基づいた、ピンボールならではの醍醐味や楽しさが詰め込まれてはいますけど、実際のピンボールでは到底マネできないテレビゲームならではの要素が盛り込まれているのがポイントなんです。
『メトロイド』シリーズの楽しさといえば、謎解き、そして多彩な攻撃方法(アクション)などが挙げられますけど、そんな『メトロイド』らしさが上手にピンボールと融合しているんですよね。
たとえば、ボールには体力があって、敵に攻撃されると体力が減っていくという点(体力が0になると、アウトホールに落ちてしまったときと同様にボールを1個失う)。実際のピンボールには、ボールに体力なんてないし、ましてや敵が攻撃してきたりするなんてこともない。さらには、敵を倒すときにはボールの体当たりさせて攻撃するんですけど、それ以外にも、ボムやミサイルなどさまざまなアイテムを駆使して敵を倒すこともできる。これってまさにアクションゲーム的。
また、盤上のさまざまな仕掛け使わないと、敵が倒せなかったりとちょっとした謎解き要素もあって、ただ単に、ボールをターゲットに当てて得点を稼ぐという遊び以外にも、さまざまな楽しさがあるんです。
さらに特出すべきはその演出。『メトロイドプライム』らしいダークでクールな雰囲気はそのままに、盤上に雨が降ったり、爆風が起きたりと、目でも楽しませてくれる。ほかにも、振動カートリッジによる手への感触や、台を揺らす(ナッジング)にはタッチパネルを擦るという直感的かつリアルなプレイ感覚も魅力のひとつ。
「ピンボール? ただボールを打つだけの地味なゲームでしょ?」と思っている人は、ぜひこの『メトロイドプライム ピンボール』を入り口にして、ピンボールの魅力を知ってもらえればなあ、と思います。というか『メトロイドプライム ピンボール』は比較的アクションゲーム的なのでアクションゲームファンにもプレイしてもらいたいなあ。もしかしたらピンボール初心者にとっては、最初は難しいと感じるかもしれないですけど、ボールを思ったところに打ち分けられるようになると、楽しさも倍増しますから。
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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