ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
- Game is not Over -
ステージ174:いまになって知った『フリッキー』の秘密
先日、とあるカフェに立ち寄ったところ、店員さんに「ローリングさんですか?」と声を掛けられる。ゲームショウの会場ならまだしも、いきなり街なかで声をかけられることなんてないのでめちゃくちゃビックリ。いやはや、うかつに悪いことはできないですな〜(笑)。
で、カフェに立ち寄ったのは打ち合わせまでの時間潰しだったんですけど、あまりにもヒマなので携帯電話のゲームで遊ぶことに。
選んだタイトルは、1984年にセガからアーケードゲームとしてリリースされた『フリッキー』。鳥(フリッキー)を操作しながら、迷子になったヒヨコ(ピヨピヨ)を集め出口を目指すアクションゲームです。
このゲーム、最近の家庭用ゲーム機には移植されてないんですよね。最後に移植されたのはセガサターン版っぽい(何年まえだよ!)。面白いゲームなので、安価でWiiのバーチャルコンソールとかで出ないかなあ。
本作のルールは簡単。たくさんのヒヨコを引き連れて出口を目指せば高得点。とはいえ、ヒヨコはフリッキーの後を1列になって付いてくるため、列が長くなるとフリッキーのコントロールも難しくなり、敵の妨害も受けやすくなってしまう……。
このちょっとクセのある操作が本作の特徴のひとつで、「可愛いキャラクターだけどゲーム性が高く、高得点を狙うのが楽しい作品」として、当時、ゲームファンから高い支持を得たんですよね。
でだ、ここからは本作を遊んだことのある、おっさんゲーマー向けの話になりますが……一般的に「主人公のフリッキーはヒヨコたちの母鳥」と言われていますけど、じつはフリッキーはニワトリではなくスズメなんですよね。母鳥でもなんでもなく、単なるヒヨコたちの友だちなんだとか(笑)。いやボク自身も、この今回このコラムで『フリッキー』のことを詳しく調べるまでは、ずっと母鳥だとばかり思ってましたもん。でも真相は違うらしい。確かに、青い毛のニワトリってヘンですもんね〜。姿形もニワトリっぽくないし。
なんでも、本作のキャラクターデザイナーが『電線音頭』に影響を受けて、主人公をスズメにしたとのこと。つーか、いまの若い人たちは『電線音頭』って言っても知らないわなあ。『電線音頭』とは、1970年代に放送されていたバラエティ番組、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』に登場するキャラクター、"デンセンマン"のテーマソングでして、ちなみにこの番組には、キャンディーズをはじめ、伊東四朗や小松政夫といった豪華面々が出演していたんですよねえ。いや〜、懐かしい。
とまあ、話をもとに戻しますけど、どういう流れでそうなったのかはわかりませんが、いつのまにかフリッキーは母鳥というイメージが付いちゃったみたいなんですよねえ。
いわゆるゲームトリビア(トリビアって微妙に古い!)って感じなんですが、ぜひ話題のひとつとして活用して頂ければ!(マニアックすぎて相手に伝わらないと思いますけど……)。でもまあ、"3へぇ"ぐらいは獲得できるんじゃないすかね? たぶん。
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
過去のコラム
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