ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
- Game is not Over -
ステージ214:ちょっと気になる、ゲームのメッセージ表記について
タイトル名は伏せるけど、先日とある低年齢向けのゲームをプレイして気になったことがひとつ。子ども(幼児)向けの内容なのに、なんで「WIN」とか「LOSE」とか「START」とか「CLEAR」とか、各種メッセージ表記を英語にするかなあ。
「英単語の勉強にもなる」という人もいるだろうけど、それなら最初からきちんと英語学習ソフトを遊ばせたほういいと思うんだけど……。
たぶん、子どもたちは「WIN」や「LOSE」や「START」や「CLEAR」といった英単語の意味を気にせずに、問題なく遊んでいるとは思うんだけど(遊びながら憶えていくとは思うが)、これを日本語表記にすることで、よりゲームとして遊びやすく、さらにプレイヤーの間口が広がると思うんだけどなあ(実際、英語表記で戸惑う子どももいるはず)。
また、「セーブ(SAVE)」、「ロード(LOAD)」という単語に関しても、ボクらゲームファンにとってはあたりまえの表記だけど、はじめてゲームをプレイする人にとっては、よく分からない専門用語だったりもする。この場合は、「ゲームをきろくする」、「つづきからはじめる」といったように表記してくれれば、子どもからお年寄りまで、戸惑わず遊べるのに。
ゲームのメッセージ表記について、さらにもうひとつ。さまざまなゲームで使われる「ノルマ」という単語。そもそも「半強制的に与えられた労働の基準量」という意味だそうです。そういう意味では、すごく"ゲームをやらされている感"が漂うんですよね。「ノルマ達成!」って言われても、べつに労働(作業)しているわけじゃないし……だったら、「目標達成!」と、わかりやすく言ってもらったほうが心地よい。
さらには、やたらと略語を使うのも個人的にはどうかなあ、と思ってます。「ロールプレイングゲーム」を略して「RPG」と表記するのは、まだいいとしても(そこそこ認知度あるし)、「AVG」とか「SLG」とか言われても、ゲームファンでない人にはさっぱりわからない。
日本って、ひらがな、カタカナ、漢字、そして場合によってはアルファベットと、さまざまな文字を使う国じゃないですか。使い分けなければいけない単語の数も多く、英語で言う「YOU」も日本語だと「アナタ」、「キミ」、「おまえ」、「貴様」などさまざまな言い方がある。外国人がよく、「日本語を憶えるのは大変」と言っているのを聞くけれど、日本人だってきちんと日本語を使いこなせているかどうか微妙……。そんな複雑な日本語だけど、日本文化の資産といえば資産なんですよねえ。
あ、ちょっと話が脱線しちゃったけど、"言葉"を上手に使って(ターゲットに合わせた表記にして)、ゲームを遊ぶプレイヤーが戸惑わないように心掛けてほしいなあと(けっして英語表記がダメということではなく)。
……ゲームファン(や、特定のユーザー)にしか伝わりにくい表記ばかりだと、いつまで経っても間口は広がらずゲーム人口は増えない思うんですよねえ。
【毎月、第2・第4金曜日更新】
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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