ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
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ステージ6:ナムコ創業50周年、オメデトウ!
いやー、オメデトウございまっすー! なんとナムコは今年(2005年)で創業50周年(なんと半世紀!)を迎えたそうで、いやはや非常にオメデタイ。50年前っつーと、1955年(昭和30年)でしょ? 初のアルミ硬貨として1円玉が発行された年ですよ。ナムコと1円玉が同い年って聞くとなんかスゴクないですか? ちなみに1955年に横浜のデパートの屋上に電動木馬2台を設置し、アミューズメント事業を開始したのがナムコ誕生のきっかけだとか。
というかボクを含めて、このコラムを読んでいる人のほとんどが生まれていない時代だと思うんですけど(50歳以上の方がいたらゴメンナサイ)、そんなむかしからナムコは(創業当時は中村製作所という社名だったけど)エンターテインメント事業を手掛けていたワケなんですよねえ。
そのナムコの創業50周年を記念して発売されたのが、『ナムコレクション』(ナムコ 7月21日発売 プレイステーション2)ですよ。プレイステーション用ソフトとして過去に同社が発売した『リッジレーサー』、『鉄拳』、『エースコンバット2』、『風のクロノア』、『ミスタードリラー』の名作5タイトルを収録し、さらに各タイトルごとに、隠し要素やスーパープレイ映像などを収録した、まさに50周年記念の名にふさわしいベストコレクション版。しかも税込みで3990円と安価!
ちなみにボクがナムコを初めて知ったのは、1980年(昭和55年)に発売されたアーケードゲームの『パックマン』から。小学生ながらぼんやりと、将来はテレビゲームに携わる職業に就きたいなあ、なんて思っていたころですよ。
ナムコのゲームは大好きで、いろいろやりましたよ。アーケードゲームの『ギャラガ』、『ギャプラス』をはじめ、『リブルラブル』や『ドルアーガの塔』、『超絶倫人ベラボーマン』……タイトルを挙げればキリがないほど。またファミコンだと『ファミリースタジアム』や『ファミリーテニス』、『ファミリージョッキー』、『ファミリーサーキット』などなど、"ファミリー"シリーズはほとんどやり込んでいましたから。さらに、このあいだまで住んでいたワンルームマンションの家賃だって76500(ナムコ)円というほどのナムコフリークであります。
で、『ナムコレクション』に収録された5タイトルのなかでも、とくに思い入れがあるのは、なんといっても『リッジレーサー』。もともとアーケード版にハマってやり込んでいただけあって、腕前はかなりのモノ。リゾート地をイメージした海岸沿いを颯爽と走り抜ける疾走感、そして山稜の岩肌をすれすれで駆け抜けるドリフトの爽快感が味わえる心地よいレースゲームなんですよね。
ちなみに昨今のレースゲームってクルマのリアルな挙動を追求したシミュレーター系が多いじゃないですか。そっち系はそっち系でいいんですけど、やはり『リッジレーサー』の最大の楽しさは、時速200キロオーバーで豪快にドリフトできちゃう現実には不可能なドライビングだと思うんですよ。カーレースとしては非現実的なんだけど爽快感抜群で気持ちいい。つまりカーレースの醍醐味、面白さをいう部分を上手にすくい取り、エンターテイメント……つまり遊びとして昇華させた作品なんですよね。こういうところが"遊びをクリエイトするナムコ"らしさ、なのかもしれないなあと。
この『ナムコレクション』、ゲーム画面のクオリティーだけを見ると、最新のゲームには及ばない部分もあるかもしれないけど(というか、当時はこれが最先端だった)、"グラフィックの美しさ=ゲームの楽しさ"ではないし、あくまでもゲームは"遊び"として楽しいかどうかが重要だったりもしますから、そういう意味では、『ナムコレクション』に収録された5タイトルはどれも"楽しい遊び"ばかりかと。
過去にやり込んだ人は当時を懐かしみながら、また初めてプレイする人は、"遊びをクリエイトするナムコ"らしさを味わいながら遊んでみてはいかがです?
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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