モノトーンの世界観が美しいアクションアドベンチャー、『LIMBO』
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ステージ230:モノトーンの世界観が美しいアクションアドベンチャー、『LIMBO』
ここ最近、どっぷりとハマっていたのが、Xbox 360の『LIMBO』というアクションアドベンチャーゲーム。パッケージソフトではなく、Xbox LIVEアーケード(ダウンロード)用のゲームで、お値段は1200マイクロソフトポイントとお買い得。
どんなゲームかといいますと、操作方法は非常にシンプル。左のアナログスティックでキャラクターを動かし、Aボタンでジャンプ、そしてBボタンでモノを掴んだり、スイッチを押したりなどのアクションを行うだけ。
アクションゲームとしてはとてもオーソドックスなんですが、特出すべきは、そのグラフィック描写と多彩な謎解きなんですよ!
全編モノトーンで描かれた幻想的な世界は、まるで吸い込まれてしまいそうな美しさ。主人公は妹を探す旅に出るのですが……行く手を阻む仕掛けの数々は非常に手応えがあり、木箱やロープなどのオブジェクトを活用して多彩な罠やボスを突破していくその良質な謎解きは、古くは『アウターワールド』や、最近では『ゼルダの伝説』シリーズに通ずる楽しさがあります。
ちなみに、『LIMBO』とは"辺獄(キリスト教において洗礼を受けていない死者が行く場所)"の意で、主人公が地獄でもない天国でもない黄泉の世界を漂う、不思議な感覚が味わえます。
さらに、画面上には、アイコンやメッセージ類の表記は一切なく、ゲームをスタートさせても説明らしい説明もない。とはいえ、何が何だかわからないことはなく、すんなりとこの『LIMBO』の世界観に入り込ませる演出は秀逸。
このゲームを作ったのは、デンマークはコペンハーゲンにあるPlaydeadというゲームスタジオ。2006年に設立されたというから、まだ新しい会社なんですよね。デンマークのゲームスタジオってだけでも珍しくてビックリなのに、しかもこの『LIMBO』がPlaydeadの処女作というから驚き!
いやー、デンマークすごい。日本のゲームメーカーもうかうかしてられないですよ。多くの制作費をかけて、CGバリバリの作品を作るだけがゲームじゃないんですよ。この『LIMBO』のようにアイデア次第で、いくらでも面白いゲームって生まれるんですよね。
美麗なCGや、壮大なストーリー、はたまた可愛らしい美少女がウリだけのゲームよりは、このようなアイデアで勝負するゲームのほうが個人的には好みだなあ。
(C)2010 Playdead
【毎月、第2・第4金曜日更新】
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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