Vol.71:『Blade Chronicle』
5月21日より正式サービスを開始した新作MMORPG『Blade Chronicle』。このゲームは日本をイメージして作られており、和風とファンタジーが混ざったような世界観が特徴。プレイヤーが集まる街の雰囲気は、まるで時代劇にでも見ているような印象を受ける。しかし、街から一歩外に出ると、巨大なイヌや樹のモンスターなど、ファンタジックな世界が広がっている。プレイヤーは武士になりきって時代劇のような世界で冒険を楽みつつ、凶悪なモンスターとも戦う。本作の世界をむりやり一文で表現すると“ファンタジー時代劇”といった感じ。
ゲームの進めかたは、よくあるMMORPGと同じ。プレイヤーの分身となるキャラクターを作成したら、クエストを遂行したりモンスターと戦いながら少しずつ育成してゆく流れ。ま、これはMMORPGなので他のタイトルと似通っているのは当然。しかし、そんな『Blae Chronicle』でも、本作ならではのオモシロい要素がいくつも盛り込まれているんですよ!
一般的なRPGではモンスターと戦うとキャラクターが経験値を獲得し、レベルが上がって育っていく。しかし、『Blade Chronicle』はキャラクターではなく、所持している武器が育つ。すべての武器には攻撃力や会心率の他に、“体力”や“防御力”といったデータも表示されていて、この数値が装備したときのキャラクターのステータスとなるのだ。普通のRPGの場合、武器を変更したときに変化するステータスはせいぜい攻撃力や会心率などだろうけど、このゲームはそれ以外にも体力や防御力なども変わるということ。もちろん、鎧や衣服などの防具アイテムも装備できるが、武器の影響力のほうが大きい。そのため、このゲームは武器を交換しただけでキャラクターの強さがガラッと変化する。
また、モンスターとの戦闘でプレイヤーがダメージを受けると、それは身体ではなく武器が損傷を受けるという設定になっている。ダメージを受け続けて武器が壊れると、キャラクターが行動不可能になるのだ。本作のキャラクターは武器を3本まで携行できるので、すべての武器が破壊されていしまったら一般的なRPGで言うところの“死亡”と同じ状態になる。なので、『Blade Chronicle』の世界で生き抜くためには強力な3本の武器を作るのが重要。その昔「刀は武士の命」と言ったそうだが、『Blade Chronicle』はまさにそのようなゲーム。
プレイヤーキャラクターを作成するときに、職業は選択できない。すべてのプレイヤーが“武士”としてゲームをスタートさせる。「ということは、全員が攻撃系のキャラクター?」と言うと、実はそうではない。MMORPGなのでちゃーんと各々が役割分担できるシクミになっている。 では、どうやってキャラクターの特徴を決めるのか? はい、そのとおり! これも装備している武器が決めているんですね。
ゲームを進めて特別なクエストを行なうと、“型”と呼ばれる戦闘スタイルを習得できるようになる。型は全部で5種類用意されており、攻撃重視型や防御型、連続攻撃特化型などから選べる。型のなかには、他のプレイヤーの体力を回復可能なものもあるので、サポート役に徹する遊び方も可能。それぞれの型は武器の種類が決まっているので、装備した武器によって型は決まる。プレイヤーの遊び方によって変更できる。同時に複数のタイプの武器を装備することはできないので、攻撃もサポートも可能なオールマイティー装備は不可能だが、装備を変更すればいつでも型をチェンジできる。その日の気分によって職業を変えるような遊び方もできる。なかなか楽しいゲームシステムだ。
戦闘シーンがおもしろい。MMORPGが批判する意見のひとつに、「戦闘が単調」という声をよく聞く。戦闘シーンはモンスターをひたすらクリックするだけ……という、いわゆる“クリックゲーム”というヤツだ。しかし本作はそんなことはないのでご安心を! 『Blade Chronicle』の戦闘では、マウスを上下左右に振ると画面内のキャラクターもカーソルの軌跡に合わせて武器を振る。マウスを上に動かすと、上段の構えから刀を振り下ろす。連続攻撃が可能な武器を装備してたら、そのままマウスを左に動かせば刀を左に振って斬り捨てるモーションを取る。エフェクトも音も派手なので、サクサクと敵を斬る感覚はなかなか気持ちがよい。 この他に“剣技”と呼ばれる特別な攻撃も発動可能。それぞれの武器にはいくつかの剣技が設定されており、武器によって種類は異なる。攻撃力の高い一撃を繰り出したり、一時的に防御力をアップさせるなど、バリエーションは豊か。うまく使えば強敵にも勝てるので、いつでも仕えるように操作に慣れておくといいぞ。
会員登録さえ行なえば誰でも無料で遊べるオープンβ期間ということもあり、ゲーム内は非常に賑わっていた! どこに行ってもプレイヤーがたくさん。よっぽど期待されていたんでしょーね! このゲームの本筋は、クエストがメインとなっている。クエストの種類は実に豊富で、街を歩いているとあちこちのNPCから受けられる。同時に20個まで受けられるのだが、うまくこなしていかないと、スグにいっぱいになって受けられなくなってしまうほどだ。クエストを受けられるNPCの頭上には“?”のマークが出ていて、クエストの目的地には“!”のマークがついている。画面右上のミニマップにも同様のアイコンが表示されるので、比較的簡単にクエストは進められる。
クエストの種類はお使いやモンスターの退治が多いため、序盤はソロプレイでもラクに進められる。クエストを行なっていると広大なマップをあっちこっちと移動することになるので、マップを覚えられていいかもしれない。たまに受けることになる“ボス級モンスター討伐クエスト”は、現地に到着すると何人かのプレイヤーが待機しているだろう。モンスターは同時に1体しか出現しないので、このようなときはパーティーを組んでいっしょに戦うとスムーズにクエストを行なえるぞ。友だちを作るつもりで声をかけてみてはいかが?
限られた時間内でのプレイ期間だったので行なえなかったが、本作ではアイテムの生産や対人戦も可能。アイテムの生産は“技能”と呼ばれるスキルを使用し、武器や衣服などを生産できる。生産に必要な素材は、フィールド上にある樹木や畑などから採集する。アイテム制作が好きな生産マニアの人にも十分楽しめる内容。作ったアイテムは自分で使うのはもちろん、露店を開いて他のプレイヤーに売ることも可能。武士だらけの世界で、ひとり商人として生活するプレイスタイルもアリだ。
そして、もうひとつの対人戦もまた魅力的。『Blade Chronicle』の世界には“新政府”と“皇国”と呼ばれるふたつの勢力があり、プレイヤーはどちらかの勢力に加担できる。いずれかの勢力に入ったプレイヤーは、対立する勢力の武士と戦闘可能。いまはサービスが開始したばかりなのでわからないが、今後はし烈な勢力争いがあちこちで行なわれるのではないでしょうか!? 武士になって激しいチャンバラごっこを楽しみたい人は、いますぐ初めてちょーだい。
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ライター経歴
佐藤ポン
1972年、神奈川生まれの千葉育ち。パソコンゲームが大好きなフリーランスライター。アスキー、エンターブレインでパソコン誌『TECH Win』の編集者として記事制作に携わった後、2001年にフリーランスとなる。パソコンゲーム以外の趣味はマウンテンバイクとツーリング。ヒマさえあればいろいろなMMOを遊んでいる渡り鳥プレイヤー。
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