いままでこの連載ではさまざまな種類のオンラインゲームを紹介してきたけど、今回は珍しいタイプのシミュレーションRPG『ドラゴンクルセイド』。本作は「インターネットエクスプローラ」などのWebブラウザーを使って遊ぶ一風変わったゲーム。そのため、ファイルをダウンロードしてからソフトをインストールする必要はない。また、Webブラウザーさえ使えればよいので、Windowsはもちろん、Macでも遊べる。手軽に遊べるのはイイね！　本作を運営しているのは、フリーツールなどのダウンロードサービスを行なっている「ベクター」。

▲インストールの手間がいらないのが最高！　思い立ったらスグに遊べる。現在、現在、サーバーは4つできている。ゲーム開始時に選んだ種族は後で変えられないが、ゲーム中盤以降に複数の種族でプレイすることがシステム的には可能と なる。

『ドラゴンクルセイド』は基本プレイ料金無料。登録は公式サイトの登録フォームに必要事項を書き込むだけなので、始めたいと思ったらものの数分で開始できるぞ。 　本作のゲームジャンルは「シミュレーションRPG」だが、家庭用ゲームによくあるタイプのソレとは見た目も内容も異なる。ゲーム専用機のシミュレーションRPGはキャラクターがアニメーションをしたり、派手な演出でストーリーを紹介してくれたりするが、本作では一切ナシ。普段からテレビゲームを遊んでいる人が見ると、少々地味に感じるだろう。でも、ゲームの内容はちゃんと作られているから、見た目の寂しさはWebブラウザーゲームと割り切って遊べばすぐに慣れるハズだ。

また、家庭用ゲームのシミュレーションRPGはテレビの前に座って数時間プレイし続けるのが一般的だが、『ドラゴンクルセイド』は一度のプレイは数分。もちろん、続けて何時間も遊んでもいいが、プレイヤーがログアウトしている間もゲームは進行しているため、ずっと見続けていなくてもよい。一度ログインしたらちょこっとだけ遊んで、また数時間後にふたたびログインして遊ぶ。毎日仕事や勉強で忙しい人でも遊べる、そんな感じのゲームだ。

▲Webブラウザーで遊ぶゲームなので、見た目はちょこっと地味に感じるかもしれない。

世界観は日本人が大好きなファンタジー。ゲームの舞台となる「アサン大陸」は、ヒューマン、エルフ、アンデッドの3種族が覇権を争っている――という設定。プレイヤーは自分が所属するいずれかの種族を選択し、英雄を育成しながら悪魔や他のプレイヤーと戦う。

すべてのプレイヤーは、ゲーム開始時にはひとつの城を所有しており、ここが自分の基地となる。城内では資源の生産や兵士の登用、物品の売買などが可能。もっとも重要なのは資源の生産だ。本作はなにをするにも資源が必要となるので、資源は多すぎて困ることはない。資源の種類は木材と石材、水晶、食糧の4種類。プレイスタイルによって重要となる素材は異なってくるが、序盤は気にしないでひたすら集めていればいい。それぞれの資源は伐採場や農地などから、時間が経過するに連れて少しずつ採集できる。画面上部に表示されている数値は、1時間で取れる量を意味している。

▲ヒューマンとエルフ、アンデッドの3種類の種族は、それぞれに特徴がある。初心者は能力が平均的なヒューマンお勧め。

そして、集めた資源を消費することで、城内にさまざまな建物を建築できる。兵士を登用するための「初級兵育成所」や、英雄が集う「酒場」、物品の売買に必要不可欠な「市場」など、種類はとても豊富。初めは建物の名前を見ただけではなにをする建物なのか理解できないだろうけど、丁寧な解説文が書かれているので遊びながら少しずつ覚えてみよう。また、建設済みの建物は、強化させると効果がアップする。伐採場を強化すると収穫量が上がり、軍事指揮所を強化すると攻撃力の高い兵士が雇えるようになる。

▲ゲームスタート時は「町の中心」しかなかったけど、どんどん建設すると城内は賑やかになってくる。

城内に「酒場」を建設すると、そこで英雄を雇うことができる。英雄はプレイヤーの分身のような存在だ。城外の土地に派遣したり、他のプレイヤーと戦うときなどに使用する。初めのうちはひとりしか雇えないが、ゲームを進めると複数人の英雄を雇えるようになり、一度に複数の出撃命令を出せるようになる。英雄は既存のシミュレーションRPGで言うところの「ユニット」であり、体力や攻撃力、防御力などのステータスが設定されている。このステータスの数値が英雄の個性というワケ。すべての英雄には最大9個までアイテムを装備でき、自分好みのキャラクターにカスタマイズ可能だ。

雇い入れたばかりの英雄はレベル1の状態だが、戦闘を繰り返すと徐々にレベルが上がる。英雄を育成するには、城外にある資源地に派遣し、そこに生息するモンスターと戦わせればよい。本作ではこの行為を「狩り」と呼んでいる。プレイヤーは英雄に狩りの命令を出したら、あとは城に帰ってくるのを待つだけ。狩りが終わって帰還するまでの時間はいつでも調べられるので、この間はログアウトしていても、ジッと待っていてもかまわない。戦闘の結果は戦闘終了時にメッセージが届くから、詳細を知りたければ後で確認できるぞ。

▲運がいいと戦闘中に装備アイテムを獲得してくる場合がある。アイテムが格納される定期的に「インベントリ」と「宝物庫」をチェックすべし。

家庭用ゲーム機では味わえないタイプのゲームなので、ここまでの原稿を読んでもイマイチ内容を把握できないかもしれない……。でも、パソコンゲームでは本作によく似た『トラビアン』というゲームがあり、すでに世界中で人気を博している。『トラビアン』は中世ヨーロッパが舞台のゲームで、グラフィックも西洋風。『ドラゴンクルセイド』と『トラビアン』、プレイヤーによってどちらが好みかは意見が分かれるだろうが、初めて遊ぶのだったら『ドラゴンクルセイド』のほうがスムーズに始められるんじゃないかな？　日本人が好きなRPG要素が濃いからね。でも、どちらもワンプレイ数分で楽しめるゲームなので、興味ある読者は両方交代で遊んでみてもいいかも！

『ドラゴンクルセイド』の公式サイトには「1分ガイド」という初心者向けのページがある。遊び方をザックリと紹介しているページで、本当に1分で読み終わってしまう分量。ここのガイドを読んでおおまかな内容を把握しておけば、あとはゲーム内チュートリアルクエストを進めるだけで『ドラゴンクルセイド』の遊び方を理解できる。初めは殺風景な城だけど、クエストに指示されたとおりにゲームを進めれば、必要最低限な建物や兵士を用意できる。また、クエストをきちんと終わらせれば報酬も得られるため、資源も貯まってくる。

ゲームの進め方がわかったら、チュートリアルクエストとは別の「日常クエスト」と「メインクエスト」もチャレンジしてみよう。少し難易度の高いクエストだけど、それだけおいしい報酬を得られるのでやらない手はないぞ。 　『ドラゴンクルセイド』は気合を入れてガッツリと遊ぶんじゃなくて、肩の力を抜いて毎日少しずつ遊ぶと長く遊べるゲーム。気軽な気持ちで始めてみてはいかが？

▲空いた時間に少しずつ遊べるユニークなシミュレーションRPG。毎日が忙しいゲームファンにもお勧めです！