ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
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ステージ70:ファミコンが生まれるまえの家庭用ゲーム機たち
ファミコンで遊んだことのある人は多いと思うんですけど、みなさんファミコンが生まれるまえの家庭用ゲーム機ってご存じですか?
というか、このコラムを読んでいる人たちって、生まれたときにはもうすでにファミコンがあった世代なのかなあ?
そう考えるとリアルタイムで遊んでいた人って少なかったりして……。
ファミコンこと、任天堂のファミリーコンピュータが発売されたのが1983年。ここから火が付き、日本のテレビゲーム文化が育っていった、と言っても過言じゃないんだけど、そもそもは、1958年、アメリカの国立研究所で開発された、『Tennis for Two』という作品がテレビゲームの原点だと言われているんですよ。でも、『Tennis for Two』はあくまでも研究の一環として作られたもので、商業ベースではなかったんですよね。
その後、1971年に世界初の業務用テレビゲーム(いまで言うアーケードゲーム)として、ナッチング・アソシエイツ社の『Computer Space』が登場。そして翌年の1972年、ここで初めて世界初の家庭用テレビゲーム機、"オデッセイ"が登場するんですよ。ちなみに、日本初の家庭用テレビゲーム機は、1975年にエポック社から発売された"テレビテニス"。
いやいや、なんでこんなゲーム機の歴史を語っているかというと、じつは先日、ブロードバンド放送GyaOで配信されている『ファミ通ギャオス』(隔週金曜日配信)というゲーム番組に出演させて頂きまして、その収録でテレビゲームの歴史について対談してきたからなんです。
『ファミ通ギャオス』の司会はお笑い芸人のアメリカザリガニさん(柳原さん、平井さん)。おふたりともすごくゲームに精通しているんですけど、とくに平井さんは最近のゲームはもちろん、むかしのゲームに関してもめちゃくちゃ詳しいんですよ。
そんなアメリカザリガニのおふたりとボク、そしてゲームに詳しいフリーライターのポルノ鈴木さん、さらにファミコンコレクターの顔を持つ、ゲーム好きなグラフィックデザイナーの藤本さんらが出演。
収録日当時、スタジオにはカラーテレビゲーム15(任天堂 1977年発売)や、ATARI 2600(アタリ 1977年発売)、テレビブロック(エポック社 1979年発売)、カセットビジョン(エポック社 1981年発売)、インテレビジョン(バンダイ 1982年発売)などなど、むかしのゲームから最近のゲームまで、ずらーっと並べてありまして、自由に触りながら「あーでもない、こーでもない」とウンチクを語るワケですよ。
ほんとは、20分くらいのコーナー企画だったんですが、みんなの話が止まらず、なんと撮影時間は6時間にも及んだほど。いやいや、むかしのゲームで遊ぶと当時の記憶が蘇るし、話したいことがいっぱい出てきちゃうんですよねえ。
で、けっきょくその収録内容は、当然、どのように編集しても20分では収まらず、3回に分けて放送(配信)されるとのこと。ちなみに第1回目の放送は11月3日(金)。視聴は無料ですので、興味のあるかたはぜひ『ファミ通ギャオス』をチェックしてみてください。
ちなみに写真で遊んでいるのは、1977年に発売されたBally社の"PROFFESIONAL arcade"(日本未発売)という家庭用テレビゲーム機。いまのゲームと比べると、点と線だけで描かれたしょぼ?いゲーム画面ですけど、遊んでみるとけっこう楽しくて盛り上がるんですよ。やっぱりゲームの楽しさはグラフィックだけにあらず、というのを再確認できた1日でした。
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
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